ひとはな日和

脱サラし移住した田舎でサラリーマンしながら畑やってます!目指せ!脱サラと、ひそかに自給自足に憧れています。

凄いです!「洞窟オジさん」

こんばんは。

Syoです。

今月は最低3冊の本を読むと目標を立てていました。

その3冊目「洞窟おじさん」を読み終えました。

その感想を記事にしていきたいと思います。

洞窟オジさん (小学館文庫)

洞窟オジさん (小学館文庫)

 

 

手に取ったキッカケ

以前、村民の若手とバーベキューをした時、

わたしが、

「自給自足に近い生活をしたいんです」

という話をしたところ、

ある1人が、

「洞窟オジさんって知ってる?」

と紹介してくれたのが、

洞窟オジさんを知るキッカケでした。

その時のバーベキューは、

猟師さんが獲った、

鹿肉やイノシシ肉を焼いていたので、

より話が盛り上がりました。

nounoublog.hatenablog.com

 

あらすじ

両親の虐待から逃れるために13歳で家出をし、

人間社会から離れて生きていた実話です。

山の中で住む場所、食べるもの、衣類など、

自らの力で手に入れていたそうです。

食料は手に入るもの“なんでも”。

へび、カエル、ウサギ、カタツムリ、カブトムシの幼虫、時にはイノシシ…

寝床は洞窟に草木を敷いたベッド…

服や靴はイノシシの皮で自作…

移動距離も群馬、新潟、栃木、福島、山梨、茨城とものすごい距離…

 

どのトピックスも現代では考えられないようなものばかりです。

他の方も紹介しているので、

ここではわたしが強く心に響いたことを書いていきます。

 

昔の人の豊富な知恵

みなさん、突然に山中に投げ出されたらどうしますか?

わたしは登山をしますが、

その時はそのための道具を持っていきます。

テント、雨具、食料、調理道具…

でも、当時は昭和30年代。

洞窟オジさんは13歳。

近代的な登山道具なんてありません。

それにもかかわらず、

洞窟で雨風をしのぎ、

焚き火で暖をとり、

自分で食料を調達する。

こんなことができるなんて信じられますか?

 

皮肉なことですが、

父親の虐待が嫌で逃げ出してきたのに、

父親と過ごして身についた知恵を最大限活用して生き延びたと言います。

火の熾し方、

動物の捕まえ方・捌き方、

食料の保存方法、

山の中で食べられる山菜・きのこの見分け方…

 

失敗もたくさんしたんだと思いますが、

これだけのことを13歳の少年がしたと考えると本当に凄い。

昔の人は自然に沿って生きる知恵が豊富にあったんだと、

現代人生き方を見直してしまいました。

 

家での際に家から持ってきたものも本当に実用的なものばかり。

塩、醤油、マッチ、鉈、ナイフ、砥石、スコップ…

みなさんならどうでしょうか?

スマホをポッケに入れて…」

なんて言い出す人が出てきそうですね。笑

 

本当の自給自足の壮絶さ

凄い凄いというのは簡単ですが、

山の中で1人で生きるということはそんな一言では片付けられません。

この時代「自給自足」なんていうと、

季節を感じて生きる、

旬のものを食べる、

お金を使わない生活、

環境に負荷をかけない、

なんていいイメージがありますが、

洞窟オジさんは当時を振り返ってこう言います。

「とにかく必死だった。景色を楽しむ余裕なんてない。」と。

そりゃそうですよね。

13歳の少年がたった1人で山の中、

生きるか死ぬかの本当のサバイバルをしていた姿を想像して、

言葉を失いました。

 

お金の便利さ

そうやって生き延びてきた洞窟オジさんですが、

時代は高度経済成長期。

様々な技術が進み、

山の中にも人が出入りするようになります。

そこで覚えたのが山菜やきのこを売ってお金を得ること

もちろん最初はお金の価値などわからなかった洞窟オジさんも、

その使い方や便利さを理解すると、

お金を利用し出します。

なんたって壮絶なその日暮らしをするよりも、

お金を使って食料を得た方が楽です。

山の中では得られない、

バナナやお菓子、ライスカレーなどにも初めて出会い、

その美味しさに魅了されたと言います。

 

人との関わりを避けていた人でも、

楽なこと、便利さ、そういったことに魅力を感じるんだ、

と動物の、ヒトの、

本質というか、

一つの性質みたいなものを知れた気がします。

 

目的なしでは生きていけない

もう一つ、

ヒトとして大事なことを知らされました。

 

山のものを売って、

食べるものに困らなくなった洞窟オジさん。

常に食料を探し回っていた頃に比べ、

かなりの時間を持て余すようになります。

「良かったね!」

こう声を掛けたくなりますが、

実際には違いました。

今まで1人で必死だった分、

趣味や遊ぶ友人などいません。

“寝ること”以外することがなくなります。

すると、今まで夢なんて全く見なかったのが、

子供の頃の嫌な記憶が夢に出てくるようになったと言います。

 

その後、山を転々と移動をします。

けれども、

「俺は何をしているのだろう」

「なんで生きているんだろう」

そんな思いばかりが頭をよぎり、

ついには首吊り自殺を決行します。

 

結果的には未遂に終わったのですが、

生きる目的がないと、

生きる喜びがないと、

ヒトは生きていけないんだな、と強く感じました。

 

洞窟オジさん、その後

現在は人間社会に復帰しているそうですよ!

洞窟オジさんの人生は、

書籍化だけでなく、

ドラマにもなっています。

洞窟オジさん役は、

リリーフランキーさん。

「なんで俺の役が外人なんだ?」

テレビなんか見たことなかった洞窟オジさんはそう言い放ったそうです。笑

 

おわりに

すごくオススメの一冊です。

洞窟オジさんの人生が数奇で、

ドラマチックというだけでなく、

生きるということ、

人間社会とはなんなのか、

現代人が忘れてしまったもの、

そういったことを考えさせられます。