ひとはな日和

脱サラし移住した田舎でサラリーマンしながら畑やってます!目指せ!脱サラと、ひそかに自給自足に憧れています。

7月の読書:一冊目「種子 The Triumph of SEEDS」

こんばんは。

Syoです。

今日は「種子 The Triumph of SEEDS」を読み終えたので、

その感想を書いていきます。

種子ー人類の歴史をつくった植物の華麗な戦略

種子ー人類の歴史をつくった植物の華麗な戦略

 

 

この本との出会いは図書館。

いつも使っている図書館はセンスが良く、

ジャケ借りやなんとなく手に取った本が思いがけずヒットします!

今回もそう。

Amazonなんかの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のような

似通ったテイストの本を紹介するのも悪くはないのですが、

図書館では同じジャンルでも全く違ったテイストの本に出会えます。

しかもタダ。笑

素晴らしい。

一つ問題なのは村に住んでいるので、

その図書館まで車で40分はかかること。

延滞することもしばしば。

(ごめんなさい)

ともかく、今回の本も本当になんとなく借りた本。

とてもいい出会いでした。

 

まず!嬉しいこと!

今回本の内容以外に嬉しかったことが一つあります。

それは、その図書館でこの本を一番最初に借りたのはわたしだということ。

ただそれだけのことですが、

裏表紙に貼り付けてある貸出期限票に、

一番最初にスタンプを押したのがわたしだったのは、

初めての経験だったので嬉しかったなぁ。

 

 

種子に関する多くの驚きの知識と話の広がりが面白い!

それでは、本書の紹介です。

本書はもちろん種子にまつわる話なのですが、

種子出現から進化までの歴史や、

種子が人間に与えた影響、

人間が種子に与えた影響、

種子の保全や今後、

といった多岐にわたる話題を提供してくれます。

しかもそれを想像しやすい著者のご家族にまつわる話で展開していたり、

著者の研究のフィールドである熱帯雨林や中近東に連れていってくれたり、

秘密警察が暗躍する冷戦時代にタイムトラベルしたりと、

専門家でなくても、

ついつい話にのめり込んでしまう工夫がされています。

その中でも興奮した話を少し紹介します。

 

種子のジレンマ

我が家のベランダには湿気ないようにネットの袋に入れたクルミが吊るしてある。

それを食べるには納戸にある工具箱の中からカナヅチを取ってきて硬いコンクリートの上でたたき潰さなくてはならない。

クルミは種子である。

花が咲き、

結実するとあの硬い殻の種子ができる。

どうしてこんなにも固くなければならないのだろう。

これだけ硬いと中から根や芽が出てくるのも大変だし、

発芽条件を満たすために吸水するのにも時間がかかりそうだ。

その理由は、

クルミとげっ歯類の軍拡競争が勃発したからである。

 

とまぁ、本書の内容をわたし風に書くとこのようになります。笑

げっ歯類の登場で、

それまでかじられることがなかった種子は、

現在のような硬い殻を見にまとうようになりました。

一方で、げっ歯類はクリミをどこかに隠しておく習性もあります。

これはクルミにとっては生育圏を広げるチャンスになります。

つまり、クルミは種子をすべて失ってしまう危険性と、

種子散布の可能性の間で釣り合いを取らなくてはならなくなりました。

その結果、現在の馴染みのある、

あの大きさ、硬さのクルミになりました。

すぐに食べることができないげっ歯類は、

天敵から身を守るために進化させたほお袋にクルミを詰め込み、

安全な場所で時間をかけて食べる。

一部は冬の食料のためにどこかに隠しておく。

隠しておいたクルミの一部は忘れ去られ、

翌年に芽を出す。

クルミとげっ歯類はに共進化したのです。

そして数百年後、数千年後にはお互いに別の進化を遂げているかもしれません。

 

わたしたちは今この時がすべてと思いがちですが、

地球の歴史からするとほんの一瞬です。

わたしたち人間だって、今後は他の猿人類の出現によって絶滅する可能性だってありえます。

かつての同じヒト属、ネアンデルタール人のように。

 

2000年前のナツメヤシの種子

ナツメヤシはヤシ科の常緑高木。

甘い果実は古代から主要な食料として北アフリカや中東で栽培されています。

現在もその果実はデーツとして市場に出回っています。

その古代ナツメヤシの種子が2000年近く前のマサダ遺跡から発掘され、

一連の洗浄、分類作業を経て、

発掘から40年後の2004年に植えられることになります。

まさか2000年前の種子が発芽するなんて誰も思いつきません。

ところがその種子は2005年の春に芽を出したのです!!!

信じられますか?

2000年間生存していたなんて。

発芽した古代ナツメヤシを見た研究者の胸の高鳴りを想像すると、

わたしも興奮せずにはいられませんでした。笑

 

まとめ

前回読んだ「サピエンス全史」と同様に、

自分の先入観や固定観念を覆され、

出会ったことのない知識に触れ、 

冒険している気分になる一冊です。

いろんな切り口でわかりやすく書かれているので、

読み物としても学問の入り口としても満足する一冊でおすすめですよ!

nounoublog.hatenablog.com

 

 

素晴らしい本に出会えたことに感謝です!

次はこの著者の別の本を読んでみようと思います。